『武器としての決断思考/瀧本哲史』の感想 自分の人生は自分で決める

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「人生は選択の連続である」

シェイクスピア作品『ハムレット』の有名なセリフです。

このセリフの通り、人生は常に選択して決断しなければなりません。

 

晩ご飯に何を食べるか、といった選択なら大して悩む必要はないでしょう。

ですが就職や結婚といった、人生に大きな影響をおよぼす選択ならどうでしょうか。

この会社を選んで本当に大丈夫なのだろうか?

この人と結婚してうまくやっていけるだろうか?

そんな風に悩む人が大半だと思います。

 

『武器としての決断思考』は重大な選択をする場合に、よりよい決断をするための考え方を学べます。

 

筆者は瀧本 哲史(たきもと てつふみ)氏。

東大法学部を卒業後すぐに大学院の助手に採用されるも、将来を考え大学院を辞めてマッキンゼーに入社。

3年後に独立し企業の再建やベンチャー投資などを行い、現在はエンジェル投資家であり京都大学で客員准教授をされていました。

2019年8月、47歳の若さで亡くなられました。ご冥福をお祈りします。

 

 

『武器としての決断思考』の紹介

ビジネスにも人生にも、「正解」なんてものはありません。
自分の力で一つずつ答えを出していかないといけない。

瀧本哲史『武器としての決断思考』 P38 星海社新書

人生モデルでいえば、一昔前なら良い大学に入って大企業に就職して・・・といったものが正解に近かったと思います。

しかし今の時代、社会の変化が早く、大企業に入っても将来はどうなるかわかりません。

 

グローバル化が進んだ現在、外国企業との競争にさらされ業績が悪化した。

技術革新によって、今までのビジネスモデルでは通用しなくなった。

そんな大企業は珍しくありません。

さらに今後はAIの進歩によって多くの仕事がなくなる、という話も聞こえてきます。

 

今の時代に必要とされるのは、どのような変化にも対応できる力。

何が起きても自分で人生を切り開く力があれば、変化を恐れる必要がありません。

その力を身につけるために、この本では「ディベート思考」という武器が紹介されています。

 

「ディベート思考」とは一言でいえば「自分で考え自分で答えを出すための思考法」です。

 

自分で考えて答えを出すなんて当たり前だろ!という方もおられるでしょう。

ですが人の認識や意思決定というものは歪みやすいもの。

深く考えず決断してしまうと、間違った選択をするリスクが高まります。

 

一番の問題は、間違ったときに何故間違ったのかが自分で分からないこと。

認識が歪んでいる自覚がないため、間違いを修正できないのです。

 

 

 

 

ディベート思考の行う理由

ディベート思考の良い点は2つ

・なるべく客観的な結論を導ける
・結論にいたる筋道が分かる
 

なるべく客観的な結論を導ける

そもそもディベートでは第三者が判定するので、客観的な結論が出ます。

ですがディベート思考では判定も自分で行うため、100%公平な判定はできません。

ただ自分の中で賛成・反対の意見をぶつけ合うわけですから、どちらかに偏った結論にはなりずらいのです。

 

もともと人の認識というものは歪みやすいもの。

自分にとって有利な情報だけを信じたり、いままで費やした時間や労力を過大に評価したりしがちです。

そんな歪みをディベート思考によって矯正すれば、思いつきで決めるよりは遥かにましな結論に辿りつけます。

 

 

結論にいたる筋道が分かる

実はいちばん重要なのは、どういう結論を出したかという以上に、どういった思考を経てその結論を導き出したかということなのです。
要は、決断にいたる筋道が重要だということ。なぜなら、筋道がはっきりしていれば、修正することが可能になってくるからです。

瀧本哲史『武器としての決断思考』 P68,69 星海社新書

どういう風に考えてその結論に至ったか」が分かっていれば、間違っていたとしても結論に至るプロセスを見直せば修正できますよね。

 

例えば会社がつまらないと感じ、思い切って辞めたとします。

しかし何も考えず辞めてしまったため転職が上手くいかず、結局、前より待遇が悪いところに就職するはめに。

そうするとまた同じように転職を繰り返し、気が付けば大したスキルも身につかないまま職歴もボロボロ・・・なんてことになりかねません。

もちろん辞めたことで良いところに転職でき、人生が好転することもあるでしょう。

ただそれでは結局は次に生かせるような教訓や学びを得られないままです。

 

結論に至った筋道が分かっていれば、決断が間違っていても修正できます。

 

辞める前に情報を集め、メリットとデメリットを比較。

さらに転職に失敗した場合どうするか、まで考えたうえで辞める決断をする。

そうすることで仮に辞めた決断が間違いだったとしても見直しができます。

集めた情報が悪かったのか、メリット・デメリットの比較検討が甘かったのか、または別の原因があったのか。

どこに問題があったか分かれば、次の決断時はそこを修正すればいいのです。

 

 

 

 

『武器としての決断思考』の感想

この本は京都大学で行われている瀧本先生の授業をまとめたもの。

そのため20歳前後の学生を対象に書かれていますが、仕事や結婚、両親の介護など、大きな決断をしなければならない社会人こそ読むべき本だと思います。

 

ただあくまでも大学の先生が”教養”として書いたディベートのハウツー本であり、ビジネス本や自己啓発本ではありません。

仕事のモチベーションアップを期待して読むのは止めておきましょう。

 

中盤以降のディベートの具体的なやり方が書かれていますが、実践するのは大変です。

必要な手順が多く、自分の思考を整理して客観的な結論をだす難しさを痛感します。

 

ディベート思考ではメリットとデメリットを比較しますが、言いかえれば自分に対して厳しい意見を浴びせるということ。

自分の弱さ・甘さを自分で攻撃するわけですから、ときには酷く落ち込んでしまうこともあるでしょう。

そうやって経て辿りついた決断というのは、自動的に相当な覚悟をして下すことになります。

また自分で厳しい意見を出す中で様々なリスクに気がつき、決断が間違っていたときのために保険を用意することもできます。

 

何にも縛られず自分の意志で自由に生きていきたい。

そんな人におすすめです。

 

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