『道は開ける/デール・カーネギー』の感想 悩みの解決に特化した名著

書籍


自己啓発本といえば胡散臭いと感じる方もおられるかもしれません。

しかし中には素晴らしいものもあります。

その一つが『道は開ける』デール・カーネギー【著】/香山 晶【訳】です。

これはどうすれば「悩み」から解放されるのか?を追求した本です。

 

 

『道は開ける』の感想

 

最初に出会ったのは、人生がどん底のときでした。

 

7年ほどいた会社を辞めて地元に帰ってきたのですが、就職活動がうまくいかず気持ちが落ち込んでいました。

そんなとき、なにげなく本屋に立ち寄って見つけたのが『道は開ける』でした。

 

それまで自己啓発本には全く興味がなかったのですが、この本の存在は知っていました。

友人の1人から「すごく良い本だ」と聞いていたからです。

ただ当時は読もうという気にはなりませんでした。

自己啓発本と言えばなんとなくうさんくさいイメージがあったのです。

 

ですが今回はなぜか「ちょっと見てみよう」という気になりました。

今にして思えば、少しでも現状を変えるヒントが欲しかったのかもしれません。

 

本屋で『道は開ける』を手に取り、パラパラとめくってみました。

最初に目に留まったのは、「悩みの分析と解消法」という章。

そこには「悩みを解消するには、悩みを紙に書いて自分の悩みを把握・分析することが重要」と書かれていました。

 

悩みを把握・分析する」なんて、それまで考えたこともありませんでした。

「悩みを細分化する」とはよく言われますが、それに通じる考え方ですね。

 

「この方法を一度試してみよう」

そう思って本を購入し帰宅しました。

 

帰ってくるなり、さっそく悩みを紙に書き出すことに。

すると悩みの核心部分が少しづつ見えてきたのです。

 

当時はリーマンショックの影響で大不況の真っただ中。

その状況に危機感を感じていたこともあり、なんとか将来性のある、ステップアップできる会社に就職したいとやっきになっていました。

ですが、そのときの私は既に20代後半。

即戦力として期待される年齢で、将来性のある業界に就職して経験をつんで…というのはほぼ無理でした。

 

なので自分では「就職がうまくいかない」ことに悩んでいると思っていました。

しかし紙に書いて悩みを分析するうち、自分の悩みの核は「働いていないため収入がない」ことだと気がつきました。

 

ならば就職先を選ばず、とにかく働くべきではないか。

そう考えアルバイトを始めました。

 

スーパーの品出し、倉庫の仕分け、お弁当の配達など。

とにかく働いてお金を稼ぐことだけに集中しました。

 

もちろんバイトをしながらも就職活動は続けていました。

肉体的にはきつかったですが、一定の収入があることで、精神的には安定していました。

 

資格の勉強を始めたのもこの頃からです。

とにかく将来に困らないよう、空いた時間はずっと勉強してましたね。

 

その後なんとか就職先がみつかり、アルバイトをやめることができました。

望んだ業界ではなかったですが、少なくともお金に困ることはなくなりました。

 

もしあのまま就職活動を続けていたら、きっと精神的に追い込まれていたと思います。

悩みを分析し、何を最優先にすべきかを考え、行動したからこそ悩みから解放されたのです。

 

私の場合は「悩みを分析する」ことが効果的でしたが、人によっては効果がないかもしれません。

ただ『道は開ける』には多くの悩みの解消法がのっています。

カーネギーは著名人や過去の偉人から様々な悩みの解消法を集め、それを一般の方々に実践してもらい効果を確かめました。

そして効果があったものを本にまとめて出版したのです。

 

前述したとおり、この本で全ての悩みが解決されることはないでしょう。

ですが多くの解決方法が示されているので、解決の糸口となるものは見つかると思います。

 

 

 

『道は開ける』の金言5選

過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の区切りで生きよう。

D・カーネギー『道は開ける』42頁 創元社

 

スティーブ・ジョブズは「今日が人生最後の一日だと思って生きている」と言いましたが、本質的には同じ意味です。

過去を反省したり未来のことを考えて準備をしたりする必要はあります。

ですが過去を後悔し、未来を心配していては、どんなに心の強い人でも精神的に参ってしまうでしょう。

 

過去を反省し、未来を考えて準備をしたら、あとは今だけに集中して生きていく。

それこそが「悩み」から解放される方法だということです。

 

 

 

種々雑多な悩みに対処するための準備をしなければならないが、まず問題を三段階に分けて分析することを学ぼう。三段階とは――
一、事実の把握
二、事実の分析
三、決断――そして実行

D・カーネギー『道は開ける』71頁 創元社

 

人は悩んでいるとき、そもそも自分が何を悩んでいるのか分かっていないことがあります。

何を悩んでいるか分からないのに、悩みを解決できるでしょうか?

 

まず自分の悩みを正確に把握・分析して、その後じっくりと解決策を考え、決断をします。

その際、迷いは捨てなければいけません。

「やっぱり別の方法が・・・」などと考え直せば、また「悩み」に捕らわれてしまうことになります。

 

 

 

どんなに優秀な頭脳の持ち主であっても、人間は一度に《一つのこと》しか思考できないというものだ。

D・カーネギー『道は開ける』94頁 創元社

 

人は別々の考えを交互に思い浮かべることはできても、同時に思い浮かべることはできません。

その脳の機能を利用して、あえて忙しさの中に身を置くことで悩む暇を無くすという方法です。

何もせずにいると余計な事を考えてしまうという方は試してみてはいかがでしょうか。

 

 

 

幸福への道はただ一つしかない。それは意志の力でどうにもならない物事は悩んだりしない事である。

D・カーネギー『道は開ける』136頁 創元社

 

人生にはケガや病気、自然災害といった不運としかいえないことが起こります。

そんな時「なぜ自分だけこんな目に・・・」と悩んだところで、人生は決して良くはならないでしょう。

どうしようもない出来事は抗うことを止めて受け入れる。

その上で自分の力で変えられるところは変えていく。

時間はかかるかもしれませんが「悩み」を解決するために、まずは受け入れましょう。

 

 

 

悩みに対してストップ・ロスを設定しておく。

D・カーネギー『道は開ける』146頁 創元社

 

ストップ・ロスとは、日本語に訳すと”損切り”。

株式やFXで行われる注文方法で、株価などが下がり回復がみこめない場合、損失が大きくならないように損失額を確定させることです。

 

同じことを「悩み」に対しても行います。

悩む期間を決め、期限が来たら悩むことを止める。

 

人生は有限です。

あなたの「悩み」が、あなたの貴重な時間をかけるに値するか、よく考えるべきです。

 

ある程度悩んだら、悩みを把握・分析し、事態を良くするために行動しましょう。

 

 

 

『道は開ける』で、あらゆる悩みは解決するのか

 

結論から言えば、そんなことはありません。

 

「悩み」の種類は、この本に載っているだけではありません。

世の中にはもっと多くの「悩み」があります。

うつ病などの精神疾患の場合は、医師や公認心理師のカウンセリングや、薬による治療が必要です。

 

ただしこの本の効果は、初版から70年たった今でも売れ続けていることで証明されています。

 

多くの自己啓発本がありますが、「悩み」を解決したいのであれば間違いなく読んで損はないと思います。

 

 

 

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